
生物学的ストレッサー:体の中からくる見えない敵との戦い
生物学的ストレッサーとは、ウイルスや細菌、花粉など、体内に侵入して私たちの健康を脅かす存在のことです。たとえば新型コロナウイルスのような感染症はもちろん、インフルエンザウイルス、風邪のウイルス、さらにはスギ花粉なども、このストレッサーに含まれます。
私たちの体は、こうした外敵が侵入すると免疫システムをフル稼働させて対応します。その結果、発熱や倦怠感、くしゃみ、鼻水などの反応が出ますが、これも体が頑張っている証拠。免疫を働かせること自体が、体にとっては大きなエネルギーの消費であり、疲労の原因になります。
花粉症のように毎年季節ごとに訪れるストレスも、長期間にわたって自律神経を刺激し、疲れやすい状態を作り出してしまいます。
社会的ストレッサー:人とのつながりがもたらす心の重圧
社会的ストレッサーは、人間関係や経済的問題など、社会の中で生きるうえで避けがたいストレスです。職場の人間関係や家族との関係、友人とのトラブル、さらにはお金の不安や将来への不透明感など、現代人が最もよく感じるストレスの多くがこれに当たります。
他のストレッサーと違って、「どうしようもない」「逃げられない」と感じやすく、長期間にわたって精神的疲労を蓄積させてしまうという特徴があります。
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ストレスとの付き合い方:跳ね返す力=ストレス耐性を育てる
ここまでご紹介した通り、私たちの周囲にはさまざまな種類のストレッサーが存在しています。肉体的なもの、化学的なもの、心理的・社会的なもの、生物学的なものまで、完全にストレスのない状態を目指すのは非現実的です。
しかし、ストレス=悪ではありません。ストレスがあるからこそ、私たちはやりがいや成長を感じたり、逆境を乗り越える強さを持てたりもします。問題なのは、ストレスの量が「自分のストレス耐性」を超えてしまうときです。
私たちの心と体をゴムボールに例えてみましょう。外から力(ストレッサー)が加わるとへこみますが、内部にある押し返す力(ストレス耐性)が強ければ、元の丸い形にすぐ戻ることができます。
しかし、疲れているときや体調が悪いときは、ゴムボールの空気が抜けたような状態になり、押し返す力が弱くなります。さらに、これまでに経験したことのないような強いストレスに直面すると、ボールがへこんだまま戻らなくなることもあります。
つまり、自分のストレス耐性を知り、それを少しずつ高めていくことが重要なのです。休養や栄養、運動、心のケアを通して、ゴムボールの弾力を取り戻していきましょう。
参考元:東洋経済新報社「あなたを疲れから救う 休養学」
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