SNSやYouTubeの普及により、さまざまな情報を手に入れることができるようになりました。そこで、多く散見されるのが「腰痛の原因は腰にはない」や「ひざの痛みは患部を揉んでも意味ない」といった、あたかも「患部にアプローチしても意味ない」といったニュアンスが目立つように感じます。そして、これらの多くの理由が「体のバランスが悪い」「骨盤がズレている」といった曖昧な返答だったりします。しかし、それらのコメントを見ると「楽になった」や「改善した」というコメントもちらほらあります。さて、本当に痛みの原因は患部にはないのでしょうか?

痛みのメカニズムについて
痛みを感じる条件は大きく3つと言われています。それは、「機械的ストレス」「化学的ストレス」「熱ストレス」と言われています。近年、精神的ストレスが神経痛と同じメカニズムで発症するという研究も増えてきており、個人的には「精神的ストレス」も組み込んでも良いのではないかと感じています。
特に今回の話で重要なことは、「機械的ストレス」についてです。これは、痛みを感じる線維(痛覚線維)を興奮させるために、体に圧力や牽引力といった刺激を加えることで感じる痛みの種類です。これについて詳しくお話ししていきます。
機械的ストレスが減ると痛みが楽になる
SNSやYouTubeで散見される「痛みの原因は患部にはない」という本質的な話として、患部にかかる機械的ストレスが問題で痛みを感じていると言えます。この問題を体のバランスを整えることで機械的ストレスが減り、痛みが楽になることで、「化学的ストレス」の減少も開始することで、人間の自然治癒力が上向きになり、今まで放置しても変わらない、あるいは痛みが増してしまうようなものが楽になるのはこういったメカニズムのおかげです。そのため、1回の施術で楽になります。しかし、これは「機械的ストレス」を取り除いたために、痛みが楽になっただけで、「化学的ストレス」に関しては、まだ残っている状態と言えます。なので、1回の施術では取れないということになります。これに関しては、以下の記事を読むことをお勧めします。
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やはり痛みの原因は患部である
ここまでのメカニズムを知れば、施術に関しては患部以外をアプローチすることで痛みを軽減するということはあっているのかもしれません。しかし、痛みを感じる部位はやはり患部と言えます。本来、人間の痛覚線維は体を動かすだけでは痛みは興奮しません。組織損傷があって初めて成り立つ現象だと認識しています。そのため、やはり痛みの原因は患部にあると考えます。その患部へのアプローチ方法が「機械的ストレス」を取り除くだけを考えれば、患部以外のアプローチも有効ということになります。ですが、「化学的ストレス」に関しての管理は、患部の安静なのか運動なのかで変わってきます。
体の情報を発信している整体師はここまで考えているのか?
痛みについての話は、こんなものではないですが、最低でもこれを理解して施術をしている整体師が果たして何人いるのだろうかと疑問に思います。とはいえ、専門用語をたくさん使いすぎれば、患者さんは分かりづらいため、分かりやすく伝えている先生方もいらっしゃると思いますが、何本か動画を見ていれば、「痛みのメカニズムを知らないんだろうな」と思うようなアカウントもあります。情報発信は自由ですが、人の体に触れ、施術をするということであれば知る必要があると考えます。これは、自分自身にも問いかけています。
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