
ATPを生み出す栄養素とは
疲れた体を回復させるためには、細胞の修復が必要です。その修復エネルギーとなるのがATP(アデノシン三リン酸)ですが、このATPを作るためには食事から摂取する栄養素が欠かせません。ATPの原料となるのは、脂質・タンパク質・糖質(炭水化物)といった三大栄養素です。これらはTCAサイクル(クエン酸回路)を経て、最終的に電子伝達系でATPが生成されます。
それぞれの栄養素は、ATPを作る過程で以下のような変換を経ます。
・脂質 → 脂肪酸 → アセチルCoA
・タンパク質 → アミノ酸 → アセチルCoA
・糖質 → グルコース → ピルビン酸 → アセチルCoA
ビタミンとミネラルの重要性
三大栄養素(脂質・タンパク質・糖質)はATPの原材料になりますが、それだけでは十分にエネルギーを生み出せません。これらをATPへ変換する過程で欠かせないのがビタミンやミネラルです。これらの栄養素は「補酵素」として働き、エネルギー代謝をスムーズに進める役割を持っています。そのため、栄養バランスの取れた食事が疲労回復には不可欠なのです。
現代は「飽食の時代」と言われていますが、食事の質に目を向けるとビタミンやミネラルが不足しがちです。特に、パンやごはんなどの炭水化物の摂取量は十分でも、タンパク質や微量栄養素が足りていないことが多いのではないでしょうか。
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神経伝達物質とタンパク質の関係
三大栄養素の中でも特に重要なのがタンパク質です。タンパク質は、脳内の神経伝達物質の材料となるため、不足すると精神的な疲労にもつながります。代表的な神経伝達物質には次のようなものがあります。
・ノルアドレナリン・ドーパミン(興奮系):集中力ややる気を引き出す
・GABA(抑制系):リラックスを促し、疲労回復を助ける
・セロトニン(調整系):興奮を抑え、気持ちを落ち着かせる
特にGABAやセロトニンは、休養やストレス緩和に欠かせない神経伝達物質であり、それらの材料となるタンパク質を日常的にしっかり摂取することが大切です。
栄養バランスの良い食事が疲労回復のカギ
タンパク質を摂るだけでなく、ATPの合成をスムーズにするためにビタミンやミネラルを意識的に摂ることが重要です。つまり、疲れをしっかりとるためには栄養バランスの良い食事を心がける必要があるのです。
疲労回復には、「タンパク質+ビタミン+ミネラル」のセットが欠かせません。肉や魚、卵、大豆製品などの良質なタンパク質と、緑黄色野菜や海藻類などのビタミン・ミネラルを意識して取り入れることで、体の修復エネルギーをしっかり維持することができます。
参考元:東洋経済新報社「あなたを疲れから救う 休養学」
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