
デジタル化がもたらす新たな疲労
世の中は絶えず変化し続けていますが、特にデジタル化の進展は私たちの生活や働き方を大きく変えました。かつてコンピューターは専門知識を持つ人が扱うものでしたが、1995年に「Windows95」が発売されて以来、誰もが簡単に使えるようになり、瞬く間に普及しました。今では、仕事で一人一台以上のパソコンを使用するのが当たり前となり、同時に携帯電話も爆発的に普及しました。電話やインターネットがつながることで、どこにいても仕事ができる環境が整ったのです。
この変化は、生活を便利にする一方で、以前とは異なる種類の疲労をもたらしています。例えば、仕事の連絡手段が電子メール中心だった頃は、返信までにある程度の猶予がありました。しかし、現在ではチャットツールの普及によって即時対応が求められることが多くなり、心理的な負担が増しています。また、コロナ禍以降、オンラインミーティングが一般化し、スケジュールがこれまで以上に詰め込まれるようになりました。
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働き方の変化と休む時間の喪失
かつて営業職の人は、移動時間があるために1日に訪問できる件数が限られていました。しかし、オンライン会議が主流になると、移動時間が不要となり、1日に6件も7件も打ち合わせをこなせるようになりました。単純に考えれば生産性が向上したように見えますが、仕事量が倍増したことで負担が増え、結果的に疲労も蓄積されるようになったのです。
さらに、移動中に音楽を聴いたり、同僚と雑談をしたり、お茶を飲むといったリフレッシュの時間もなくなりました。そうなると、仕事の疲れが抜けにくくなり、気持ちの鬱屈や孤独感を覚える人も増えていきます。このような時代において、単に体を休めたり、眠るだけでは十分に疲労を回復できません。
参考元:東洋経済新報社「あなたを疲れから救う 休養学」
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