
休養=「何もしないこと」という日本の考え方
これまで日本では、休養とは「何もしないこと」や「ただ寝ること」だと考えられてきました。誰にでもできる簡単な行為であり、特別な技術や知識が必要ないものとして捉えられてきたため、休養が学問として発展せず、国の対策も遅れてしまったのではないでしょうか。さらに、日本の労働文化の影響も大きいでしょう。「頑張ることが美徳」とされる社会では、休むことに対して罪悪感を持つ人も少なくありません。その結果、「とりあえず寝れば回復する」と考えがちで、休養の質について深く考える機会が少なかったのです。
昭和と令和で異なる疲れ方
昭和の時代、仕事の中心は肉体労働でした。重いものを運んだり、長距離を移動したりすることで体を酷使し、その結果として肉体的な疲労が蓄積されていました。夜には疲れ切ってぐっすり眠ることができ、自然な生活リズムの中で回復することができたのです。しかし、現代では仕事の中心がデスクワークや会議、パソコン作業などの頭脳労働へと移り変わりました。その結果、体を動かすことが少なくなり、体はそれほど疲れていないのに、脳だけが疲労してしまうという状況が生まれています。
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現代の疲労の特徴
仕事が終わった後も興奮や緊張が続くことで、なかなかリラックスできず、日常生活のリズムが崩れがちになります。眠りにつきにくくなったり、睡眠が浅くなったりすることで、十分に回復しないまま翌日を迎えることになり、慢性的な疲労が蓄積されていくのです。これは、現代の疲労の大きな特徴と言えるでしょう。
また、座りっぱなしの仕事が増えたことで血流が悪くなり、肉体的な疲れも蓄積しやすくなっています。さらに、成果主義や納期のプレッシャー、人間関係のストレスなど、精神的な負担も大きくなり、それが脳の疲労につながるという悪循環が生まれています。
参考元:東洋経済新報社「あなたを疲れから救う 休養学」
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