厚生省疲労調査研究班が2004年に行った調査によると、慢性疲労症候群による経済損失は約1兆2,000億円にも上ることが明らかになりました。この驚くべき数字は、医療費を除いた額です。さらに、この調査時点では疲労を抱える人は全体の6割程度でした。現在、疲労者が8割にも達する状況を考えれば、損失額は1.2兆円で収まるどころか、さらに膨れ上がる可能性が高いでしょう。

なぜ疲労が巨額な損失を生むのか?
その原因の一つが「プレゼンティーズム」と「アブセンティーズム」と呼ばれる状態です。
プレゼンティーズムは「疾病就業」と訳され、体調不良や軽度の精神的な不調を抱えながらも出社し続けることを指します。米国ではこれによって年間約1,500億ドル(約21兆円)もの損失が生じると試算されています。
一方、アブセンティーズムは「病欠」の状態です。無理を続けた結果、ついに出社もままならなくなることを意味します。どちらの場合も、企業は給与を支払わなければならず、本人が本来のパフォーマンスを発揮できないため、生産性の低下が「損失」としてカウントされてしまうのです。
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企業も個人も「疲労対策」が急務
「疲れても無理をする」働き方を放置することで、個人は心身の健康を害し、企業も大きな損失を被ります。休養の質を見直し、積極的に疲労回復を図るアプローチが今後の課題です。
参考元:東洋経済新報社「あなたを疲れから救う 休養学」
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