前回のブログに引き続き「睡眠」についてですが、その中でも今回はどのような行動が睡眠の質を上げるのかについてお話しします。
睡眠環境の改善
1.寝室の温度
夏場は約26度、冬場は16~19度、湿度は50~60%がベストと言われています。エアコンは積極的に使用すると良いですが、どうしても抵抗がある方は、扇風機や湯たんぽを活用すると良いでしょう。
2.寝室の光
光のない真っ暗な部屋にすると良いでしょう。真っ暗だと寝れないという方は、暖色の間接照明などを利用してください。また、スマホなどのデジタル機器により、体内の睡眠のリズムに狂いが生じてしまいます。明るすぎる人工光により「メラトニン」と「コルチゾール」の分泌が乱れて、体内時計に狂いが生じることが、不眠の原因になると言われています。メラトニンは睡眠や覚醒のリズムを調節するホルモンで、その分泌は主に光によって調節されています。環境光が多い日中はメラトニンの分泌量は低くなり、夕方から夜にかけて分泌が増えます。夜中に強い光を浴びるとメラトニンの分泌量が減り、体内時計に休息の時刻が伝わらず、睡眠リズムが乱れる原因となると言われています。コルチゾールは利用できるエネルギーを体内に準備する働きをするホルモンと言われています。糖質・脂質・たんぱく質代謝の調節、抗炎症・抗アレルギー作用、免疫抑制などの働きをします。夜間に強い光を浴びると、メラトニンと同様コルチゾールの分泌も乱れ、体内時計に狂いが生じてしまいます。そのためできる限りスマホ等のデジタル機器を寝室に持ち込まないことも、質の良い睡眠を取るためには重要です。
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3.寝室の音
静かな環境を作ることも大切です。交通騒音や隣人音などがストレスになり寝れないという問題を抱えている方もいます。環境によりどうしても避けられない場合は耳栓等の対策をしても良いでしょう。
4.寝室の匂い
睡眠中の人間の臭覚は著しく低下すると言われています。そのため睡眠中は匂いを感じないため、寝る前に自分の好きな匂いやリラックスできる匂いを嗅ぐことや、アロマオイルを枕に1~2滴ほど垂らして寝ることも良いでしょう。
5.寝具
布団は消耗品かつ季節ものです。季節ごとに自分に合った布団の生地感や厚さを選ぶと良いでしょう。また、定期的に洗濯をすることや太陽の下に干す、クリーナーでほこりなどを取るなどし、常に清潔を保つことが大切です。マットレスやまくらは自分の体に合っているのか(起きた際に体が痛くないなど)を軸に選ぶと良いです。
6.パジャマ
パジャマを意識していない方は意外と多いそうですが、パジャマに着替えることでオンとオフを切り替えることができます。睡眠中はコップ一杯分の汗をかくと言われているため、通気性・通質性がよく、吸汗素材で締め付けのないものが良いでしょう。
生活習慣の改善方法
1.朝食
睡眠にとって朝食は非常に重要と言われています。朝食をしっかり食べることで内臓が働きだし、体内時計が正常化されます。トリプトファンと呼ばれる必須アミノ酸は、睡眠を促すホルモンであるメラトニンの生成に関わります。そのトリプトファンが不足すると不眠症や睡眠の質の低下を引き起こす原因となります。トリプトファンは大豆、バナナ、卵、乳製品などに豊富に含まれています。そのような食材を朝食でることで睡眠改善につながります。
2.運動習慣
質の良い睡眠を取るためには、適度な運動をし体にある程度の疲労を与えておくことも必要です。運動の一番NGなタイミングは寝る直前や夜の時間帯(夜9時以降)です。そのタイミングで運動をしてしまうと逆効果になってしまうので注意しましょう。
3.入浴習慣
寝るときは体の深部の体温が下がるため、入浴で一度意図的に深部の体温を上げておくと、その後下がりやすいと言われています。そのため、シャワーではなくしっかりと湯船に浸かることが大切です。就寝の1時間ほど前には入浴を終わらせクールダウンの時間を作りましょう。
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4.アルコール習慣
アルコールは寝つきを良くしますが、睡眠の後半から劇的に睡眠の質を下げ途中覚醒を増やします。アルコール依存症になるリスクもあるため、就寝の3~4時間前に飲み終えておくのがベストです。
5.カフェイン習慣
カフェインは覚醒を促す作用があるため、就寝の2~3時間前までには摂取を終えておくと良いでしょう。カフェイン含有食品の代表としてコーヒーやお茶などがありますが、それ以外にもコーラ飲料やチョコレート、エナジードリンクなどもあります。ノンカフェインのお茶などもありますので、そちらを代用するようにしましょう。
6.タバコ
タバコに含まれるニコチンは覚醒を促す作用があります。就寝前のタバコは睡眠の質を下げるため、就寝の約2時間前までには吸い終えましょう。
7.睡眠習慣
毎日決まった時間に起き、決まった時間に寝るように心がけましょう。朝起きて一番最初にやると良いのは日の光を浴びることです。それにより体内時計がリセットされます。
以上がどのような行動をすることで睡眠の質が上がり、逆に下がるのかをお話ししました。次回は眠れる体づくりについてお話しします。
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