現代社会では、「夜なかなか寝付けない」「寝つきはいいが夜中に何度も目が覚めてしまう」など、睡眠の悩みを抱えている人は少なくありません。日本では、自分の睡眠に満足している人の割合が世界と比べてみても低いことが分かっています。そこで今回は、睡眠の質を上げることでどのようなメリットがあるのか、どのような行動が睡眠の質を上げるのかについてお話しします。
質の良い睡眠が取れている状態とは?
質の良い睡眠の定義は様々だと言われていますが、昼夜のメリハリがある、目覚めてからスムーズに行動できる、寝床についてから時間をかけすぎることなく眠りにつける、日中に過度の疲労感がないことなどから、質の良い睡眠が取れていると判断できます。
睡眠によるメリット
1.脳の創造と修復
睡眠には「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」があります。この2つは約90分周期で変動し、朝の覚醒に向けて徐々に起きる準備を整えます。夢を見ると言われているレム睡眠は、脳が活発に働き、記憶の整理や定着が行われ、体は一番休まる時間と言われています。ここで脳の「創造」が行われています。対してノンレム睡眠は、大脳が休息し肉体や脳の疲労回復に重要な時間と言われています。ここで創造していた脳を休ませ、「修復」が行われます。
2.疲労回復
睡眠は脳だけでなく、身体も休息させます。日中の活動時は交感神経が働き、睡眠中は副交感神経が働くため身体を回復させることができます。
ご予約はオンラインからでも可能です。
3.美容効果
成長ホルモンの分泌量が多いほど、肌のターンオーバーのサイクルが正常化され肌が綺麗になります。この成長ホルモンが多量に分泌されるのは睡眠中です。しっかりと質に良い睡眠をとることで、美容効果にも期待できます。
4.パフォーマンス向上
睡眠不足により、ストレスや疲れがあると免疫力の低下により風邪を引きやすくなってしまうなど、日々の生活に支障が出てしまうこともあります。自身のパフォーマンスを存分に発揮し毎日を充実させるためにも質の良い睡眠は必要不可欠です。
5.生活習慣病の予防
不規則な生活習慣が原因でがんや心疾患などになることもあります。バランスの良い食事に加え、毎日の睡眠時間や就寝時間はなるべくずらさないようにし、生活習慣病のリスクを減らしましょう。
6.肥満防止と食欲管理
食欲には「レプチン」と「グレリン」という2種類のホルモンが関係しています。レプチンは食欲を抑制するホルモンです。基本的には食事後に分泌されます。グレリンは食欲を増進するホルモンです。空腹で体内のエネルギーが不足しているときに分泌されます。必要なタイミングでグレリンの分泌が増し、ある程度栄養を摂取できたらレプチンの分泌量が増すという、このリズムが取れていることが重要ですが、睡眠不足の方はこのバランスが保たれなくなってしまいます。睡眠不足によりグレリンが過剰分泌してしまい、食欲過剰という症状が出てしまいます。それが肥満につながってしまうため、睡眠は非常に大切です。
7.ストレス予防
質の良い睡眠が取れないことで、自律神経が乱れストレスや不安感からうつ病を発症してしまうこともあります。しっかりと質の良い睡眠を取ることで精神的にも安定できます。
8.認知症予防
アルツハイマーやパーキンソン病は、脳内の老廃物が溜まりすぎてしまうことが原因になると言われています。それらを予防するためには「グリア細胞」が正常に働くことが重要です。グリア細胞は睡眠中に活発に動くため、認知症予防にはやはり睡眠がとても大切です。
今回のブログでは質の良い睡眠と、そのメリットをお話しさせていただきました。次回はどのような行動が睡眠の質を上げるのかをお話しさせていただきます。
コメント